2010年05月

政令201号事件の人権救済を

「第2回土井尚義さんを励ます集い」

「土井さんを励ます会」であいさつする土井道子さん(5月16日、取手市)

 5月16日取手市戸頭で第2回「土井さんを励ます集い」が開かれ約40名が参加しました。土井さんは、1948年8月、危険なトンネルの改善を求めストライキ(職場離脱)を行ったとして当時の国鉄札幌鉄道局から「政令201号違反」で免職させられました。その後困難な生活を余儀なくされてきました。08年11月に、この免職の取り消しと人権の回復を求め茨城県弁護士会に申し立てをおこないました。
 「集い」では、最初に土井さんの妻、道子さんが参加者に感謝のあいさつをしました。戸張順平弁護士(事務所・水戸市)が講演。「政令201号違反事件の最高裁判決は、合憲の理由として憲法にかかわりなく憲法外において法的効力を有すると述べているが、占領状態の前に思考停止したもの。ポツダム宣言に反していることを看過している」と述べました。
 その上で「日本国有鉄道法及び公共企業体労働関係法が制定され、国鉄職員の争議行為等については罰則がなくなった。この時点で刑が廃止されなくてはならなかった」と強調しました。
 また「政令325号(占領目的阻害行為処罰令)違反事件で免訴した最高裁判決がある。政令325号の罰則は、占領状態の終了、最高司令官の解消とともに、当然効力を失う。『法律施行前にした行為に対する罰則の適用は、なお従前の例による』とした法律137号は、失効した罰則を復活させる事後立法で憲法39条に違反し無効とした」「土井さんの事件もこのこの考えが当然適用される」と説明しました。
 北海道の友人もかけつけ、「北海道でも弁護士会への申し立ての準備をしている」と激励しました。参加者からは「占領下の歴史がよくわかった」「公務員の労働基本権回復のたたかうと結びつけ運動したい」「前回会合以来のとりくみの前進を確信した」「私は松川事件に関心をもっていて、きょう参加した」「スペインでは記憶法が出来たと聞いたが、日本はなぜ戦争の反省がないのか」「以前旭川に住んでいたことがあるので、土井さんのたたかいの状況が実感できる」などの意見がされました。田谷武夫党県委員長、国民救援会の横倉達士さんも参加し激励しました。
 また「筑波研究学園都市研究機関労働組合協議会」議長より連帯のメッセージがよせられました。この集いをうけ、17日県弁護士会人権擁護委員会に「人権救済申し立ての補充書」を提出しました。

 

表紙