2010年04月

第1回定例県議会

定年後の再雇用、希望の職場に

山中たい子県議が一般質問

 

 

 

 

 

 

 

 

 第1回定例県議会は2月25日から3月23日まで開かれました。日本共産党の山中たい子県議は3月8日の一般質問で、新年度予算で開発の破たん処理を優先した橋本知事の政治姿勢を批判。後期高齢者医療保険料の引き下げ、私学助成の拡充、水道料金の値下げなど県民生活支援、雇用対策、住宅リフォーム助成など地域経済活性化のへ具体策を提起しました。また米の価格保障と消費拡大、パン用小麦「ユメシホウ」への県の支援、児童生徒が急増しているつくば養護学校の分離新設、TX沿線開発の見直し、筑波山の活性化策などで質問しました。

 山中県議は、定年を迎えた労働者が希望する職場で再雇用できるよう、「高年齢者雇用安定法」の趣旨を県内企業や経済団体に要請するよう求めました。
 同法は65歳までの継続雇用を全ての企業に義務付けており、企業は定年引上げか継続雇用制度の採用などの措置を講じなければなりません。
 山中県議は、ひたちなか市にある日立工機株式会社勝田工場で、再雇用を希望した労働者に通勤不可能な他県の事業所を提示している事例を明らかにし、「無理な条件を押し付けて再雇用できないようにしているのは法の趣旨に反する」と指摘しました。橋本知事は日立工機の事例について「茨城労働局と対応を検討する」と答えました。

高校授業料無償化  私立高校生へ支援拡充を

 
今回、高等学校の授業料無償化が大きく前進しました。公立高校は授業料をとらず、私立に通う家庭には年額授業料相当の11万8800円の就学支援金が支給されます。しかし、本県の私立高校の授業料は施設設備費を含めて年額平均45万円です。
 山中県議は「私立高校も無償化しなければ、教育の機会均等を保障したことにならない」と指摘し、公私間格差の是正を求めました。さらに授業料減免制度で年収350万円未満の世帯としている基準の引き上げを提起しました。
 橋本知事が「他県と比較して遜色ない」などと答えました。再質問で山中県議は私立高校生への支援の拡充を再度求めました。


筑西地域職業訓練センター 年間2万人以上が利用

手立て尽くし存続を

 
桜川市にある筑西地域職業訓練センターが2010年度末で廃止される計画です。山中県議は「職業訓練は国・県の重要な仕事であり、センター存続へあらゆる手立てを尽くすべき」とただしました。
 同センターは独立行政法人雇用・能力開発機構が所有し、桜川市、筑西市、結城市の3市からなる一部事務組合と地域の企業86社が共同運営しています。利用者は年間2万人を超え、離転職者の訓練や在職者の技能向上、企業の社員研修など職業訓練の貴重な役割を担ってきました。
 厚労省は同機構の廃止にともない全国に83カ所ある地域職業訓練センターを2010年度末で廃止し、希望する自治体に建物を譲渡する方針です。
 橋本知事は「同センターの活動は大変重要。地元自治体が譲渡を希望していると聞いているので、県として地元の意向が十分反映されるよう国と協議していく」と答えました。


定年後再雇用 日立工機に要請


 日本共産党茨城県委員会と同県議団は3月17日、日立工機株式会社勝田工場を訪れ、定年退職を迎える労働者が希望する職場に再雇用されるよう要請しました。
同工場で3月に定年を迎える労働者が再雇用を申告したところ、提示されたのは通勤が不可能な仙台市の配送センターでした。
 山中県議らは、60歳過ぎた人に二重生活や単身赴任を強いるのは人道に照らしても、高年齢者雇用安定法の趣旨にも反すると指摘しました。定年退職者のうち継続雇用が半分以下の企業にたいして指導・要請するとした厚生労働省通知にもとづき改善するよう申し入れました。


茨城空港
 基地と訓練の縮小こそ求めるべき

 茨城空港は3月11日開港しました。山中県議は「1日12往復、24便の国内便需要予測は欺瞞だった。本来なら開港を延期、中止すべきだった」と迫りました。新年度予算に就航対策など7億5千万円を計上しており「これ以上、税金投入をすべきでない」との県民の声を受け止めるべきだとただしました。橋本知事は「折角、国が地元のために民間共用化を図ってくれた。この利活用を積極的に図っていく」などと答えました。
 山中県議は、新滑走路の自衛隊使用について、地元小美玉市長が運用協定の締結を要望していることを指摘。知事は「国交省と防衛省との協議で決定される。小美玉市長の陳情を踏まえ協議されるよう国に働きかけていく」答えました。
 茨城空港は、航空自衛隊百里基地との共用化事業としてすすめられ、自衛隊滑走路の嵩上げ補強工事や新管制塔の建設などが共用化予算でおこなわれました。
山中県議は、基地機能が強化され日米共同訓練が大規模化されたことを明らかにし、「知事は基地と訓練の縮小を国に求めるべき」と迫りました。

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