医学部の本県出身者枠7名増
子の短期保険証「長期の留め置きは問題」
日本共産党茨城県委員会は国政への県民要求を集約し12月25日、厚生労働、文部科学、農林水産、経済産業、総務、国土交通の6省に要請しました。
塩川鉄也衆院議員、稲葉のぶとし参院茨城選挙区予定候補、大内久美子、山中たい子両県議、上村孝幸県議予定候補、地方議員らが参加しました。
厚生労働省への要請では、国保税滞納世帯の中学生以下の子どもに交付されるはずの短期保険証(短期証)が窓口に「留め置き」され、茨城県の調査で2086人(10月末現在)に届いていない実態を指摘しました。厚労省は、茨城県と水戸市に調査に入ったことを明らかにし、「長期間留め置くことは好ましくない」との見解を示しました。
生活保護の母子加算復活にあたり、2010年度実施の子ども手当を収入に認定しないよう求めたのにたいし、法律上は手当を収入と認定した上で、該当家庭の基準値を引き上げて母子加算を受けられるようにするとのべました。
ハローワークの相談員増員については、09年度補正予算で非常勤7034人を増やし茨城県に150人配置したと答えました。自治体でのミニハローワーク開設は「要望があればやっていく」、また駐車場確保は新年度予算で要望していると答えました。
文部科学省への要請では、医師不足の解決へ医学部の本県出身者枠の増員を要望しました。文科省は2010年度の本県出身者枠を筑波大学2名、東京医科大学2名、東京医科歯科大学2名、杏林大学1名と、4大学で7名増員すると答えました。筑波大学は09年度の5名に加え2010年度から7名となります。
経済産業省には、温室効果ガスを大量排出する常陸那珂火力発電所2号機の建設中止を要請。経産省は「エネルギーの安定供給の観点から必要なもの」と強調しました。運転開始後30年を超えた東海第二原発は、定期検査に約6カ月も要するなど老朽化の症状が著しいと指摘。こうした原発での「60年運転」「プルサーマル」計画の中止を強く要求しました。
中山間直接支払は継続
農林水産省への要請では、09年度末に期限が切れる中山間直接支払い制度について、制度の延長・拡充を要望しました。農水省側は、「高齢農家も農業が続けられるよう、ひきつづき制度を継続していくことで予算要望している」と答えました。さらに小規模・高齢化集落の農地保全に向け加算を新設する考えを明らかにしました。
総務省への要請では、09年度末に期限が切れる過疎地域自立促進特別措置法を延長し、過疎地域への支援強化を求めました。総務省側は「現在、各党で検討している。方向としては切れ目のない過疎対策が必要ということですすんでいる」と答えました。
国土交通省への要請では、稲戸井調整池の掘削工事の中止を求めたのにたいし、国交省は「11月から掘削を始めている。持ち出した土は右岸の堤防に使う。搬出道路は、ふれあい道路を朝1番カラの車だけ通り、普段は通らないことを考えている」と説明しました。水戸市大工町1丁目地区第一種市街地再開発事業の中止を求めたのにたいし、「現在、特定業務代行の選定に入っている。水戸市でも検討するであろうから国としては見守っていく」と答えました。
筑波研究学園都市に関わる自転車遊歩道の整備や街灯設置、路線バスの拡充、つくばエクスプレス各駅の駅舎・ホームの改善などには「具体的要望があれば支援していく」と答えました。
6省に73項目を要望
主な要望項目は次のとおりです。
【厚生労働省】全国延長給付を活用した失業給付期間の延長▽自治体にミニハローワークの設置と相談員の派遣▽ハローワーク開設時間の延長、駐車場確保▽新型インフルエンザワクチン接種への助成策▽生活保護老齢加算の復活と父子家庭支援、高等学校等就学費の継続▽国保税滞納世帯への短期証の即時交付▽特養ホーム多床室の設置▽学童保育長時間開設加算の改善▽「安心こども基金」の既存施設への補助拡大▽日製日立総合病院への医師確保支援▽ドクターヘリ運行への支援、県南地域での運行継続▽療育施設の拡充・療育保育士の増員など。
【文部科学省】医学部定員増と本県地域枠の拡大▽医科大学設置への支援▽私学助成の拡充と授業料無料化▽準要保護者への就学援助の国庫補助復活▽筑波研究学園都市で働く研究者・職員の研究条件の改善
【農林水産省】国営那珂川沿岸農業水利事業の抜本見直し▽中山間地域直接支払い制度の継続・拡充▽豚サーコウイルスの対策強化と生産者への必要な融資など。
【経済産業省】常陸那珂火力発電所2号機の建設中止▽東海第二原発でのプルサーマル計画・「60年運転」計画の中止など。
【総務省】過疎地域自立促進特別措置法の延長・充実▽携帯電話の使えない地域をなくす▽郵便局の設置など。
【国土交通省】霞ヶ浦導水事業の中止、逆水門の柔軟運用の検討▽稲戸井調整池の建設中止▽デマンド型交通システムへの国助成▽水戸市大工町1丁目再開発の中止▽常磐線の混雑緩和、取手駅東口のバリアフリー化▽筑波研究学園都市内の自転車遊歩道整備、バス路線の拡充、TX各駅の駅舎・ホームの改善▽水戸市下国井町の那珂川堤防整備など。