2009年09月

第2回定例県議会

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

学費の心配なく高校にいけるように
県立高校
年々増える授業料免除者
所得基準引き上げを
文教治安委員会で大内久美子県議は、家庭の経済的困難などで県立高校(全日制)の授業料を免除された生徒が2008年度4611人と、全生徒数にたいし7・6%にのぼることを明らかにしました。
 生徒数が年々減少するなかで、しかも県教育委員会が免除の所得基準を引き下げてきたにもかかわらず、免除者はこの5年間に680人も増えています。
 大内県議は、経済的理由で授業料が払えない生徒が増えているもとで、授業料免除の所得基準を引き下げてきた県教委の責任を指摘し、所得基準の引き上げを強く求めました。鈴木教育長は「実情をつかんでよく検討する」と答えました。

私立高校
初年度の父母負担80万円
実額に見合った助成に
 総務企画委員会で山中たい子県議は、私立高校で経済的理由から学費の滞納や中退する生徒が増えている実態をとりあげました。
 08年度は588人が16万2000円の助成を受けています。しかし、実際には授業料は約30万円、初年度には入学金、施設費が加わり約80万円近くの父母負担になります。山中県議は、減免の申請が増えているなかで、県が所得基準を引き下げたことを批判。「経済的に困難を抱える私立高校生の教育を保障するには余りにも貧弱ではないか」と指摘し、制度の拡充を求めました。小田総務課長は「引き続きこの制度を守ってすすめていく」と答えました。

養護学校

過大規模化、教室不足
10月までに整備計画
教育長が答弁
 予算特別委員会での大内県議の質問に、鈴木教育長は養護学校の新設・改善に向けた整備計画をことし10月までに策定すると答えました。
 大内県議は、県内9の障害福祉圏のなかで養護学校がないのは県西地区の「古河・坂東障害福祉圏」だけと指摘し、この地域での新設を求めました。また保護者や教職員の意見を聞くよう求めたのにたいし、鈴木教育長は「全20校にアンケートを実施する」と答えました。
 昨年12月の議会で山中県議が、結城養護学校の過密化の実態をとりあげ、「県西地区への新たな学校建設も視野に入れた改善を」と提起し、鈴木教育長は「具体的に検討していく」と答えていたものです。
特養待機者が急増、整備目標引き上げを
 特別養護老人ホームへの入所待ちが5、500人と急増しています。予算特別委員会で大内県議は、「本年度から3年間の整備目標は2、017床と全く不十分。目標の引き上げと前倒し実施が必要」とのべ、緊急整備5ヵ年計画を提起しました。
 整備にあたって個室ユニット型だけでなく、すでに14都県で実施している多床室整備への県独自の補助制度を求めました。山口保健福祉部長は、多床室整備について、国に施設基準の改正を要望していくと答えました。


常陸那珂港建設
大企業の要請を優先
中央ふ頭に工業用地造成
 予算特別委員会で大内県議は、中央ふ頭の一部を埋め立てて工業用地を造成し、新たに企業誘致に乗り出す計画を明らかにしました。工業用地68ヘクタールのうち39ヘクタールは今年度から9年間で埋め立てる計画です。
 大内県議は「コマツや日立建機の要請を最優先し、ばく大な税金を投入し、海を埋め立てて工業団地を拡大するもの。そのツケは県財政、県民生活を襲ってくる」と批判しました。
 県はこれまで、建設機械メーカーのコマツや日立建機の要請をうけ、臨海部に工場を誘致してきました。橋本知事は、「輸出型産業が輸送コスト削減のため臨海部に進出する動きが強い」と答えましたが、大内県議は「経済は内需拡大に切り換えなければならないとき」と指摘しました。
 討論で山中県議は、中央ふ頭の工業用地計画は、建設機械を港湾で製造し、輸出できるようコマツ、日立建機が求めていたものと指摘。さらに阿字ヶ浦海岸の侵食や地元漁業への影響は深刻で、久慈・那珂湊・大洗漁港の漁獲量は20年前の10分の1以下に減少しているとのべ、「大企業の要請を優先に、ばく大な税金を投入する港湾整備に同意できない」とのべました。
 常陸那珂港建設の総事業費は7、267億円、すでに3、600億円が投入されています。石炭火力発電所がある北ふ頭は完成していますが、入港する船は1日2便程度です。にもかかわらず県は01年から中央ふ頭の建設に踏み出しています。

石炭火発2号機を増設

 東京電力は北ふ頭に石炭火力発電所2号機(100万KW)の増設を計画し、ことし夏に着工予定です。
 予算特別委員会で大内県議は、温暖化ガス排出削減の立場から中止を求めました。橋本知事は「エネルギー供給には必要。ストップはかけられない」とのべ、容認する姿勢を示しました。
討論で山中県議は、稼働中の1号機だけでもCO2排出量は年間500万トンにもなり「2号機増設は地球温暖化の抑制に逆行する」とのべ、増設の中止を強く求めました。

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