2009年4月4・8演説会特集号

「自民か民主か」選びようがない?ご安心ください

日本共産党が大変元気です

志位委員長が縦横に語る

演説する志位和夫委員長

 

 

第2会場、第3会場までいっぱいに

 

 

水戸演説会に1500人

 志位和夫委員長を迎えての日本共産党演説会が8日、水戸市民会館で開かれました。参加者は大ホールから第2、第3会場まで埋まり1,500を超えました。志位委員長は、日本共産党が伸びてこそ新しい日本への道が開かれるとのべ、「政治とカネ」「内需拡大への四つの転換」「日本共産党の元気の源」などを縦横に語りました。

北朝鮮ロケット問題外交努力でこそ

 志位委員長は冒頭、北朝鮮のロケット問題での党の立場を明らかにしました。志位委員長はこのなかで、今後の対応で大切な点として、一つは「最も重要な目的は、北朝鮮による核兵器開発を終わらせ、朝鮮半島の非核化をはかることにある。そのためには外交的努力が唯一の手段であり、六ヶ国協議での対話の再開が大切だ」とのべました。二つは「やみくもな制裁強化論や軍事対応論は、外交的解決をはかるうえで障害をつくる」と指摘。日本政府が、道理に立った外交的努力をつくさないまま、軍事的対応を突出させる態度をとったことを批判しました。共同通信が配信した「“強気発言”より外交努力を」と題した「論説」を紹介、「まったく同感」とのべました。
   さらに「北朝鮮という国は、あの拉致問題でもあらわれているように、過去の国際的な無法行為をまだ清算していない問題点を持っている国。だからこそ日本は冷静で道理ある立場を厳格に貫くことが大事」と強調。北朝鮮に核兵器開発を終わらせ、東アジアに平和をつくるために力を尽くしていくとのべました。

来るべき総選挙 北関東で複数議席を

 志位委員長はこの後、総選挙での党躍進をよびかけ、「政治とカネ」「暮らし」「外交」など、要旨つぎのように語りました。
                                    ◇
 この数年「自民党か民主党かどちらかを選べ」というキャンペーンが随分やられました。ところが、ここにきてどうも思いどおりにいかなくなってきました。
一方の自民党は、政治の中身の行き詰まりに加えて、首相は漢字が読めなかったり、大臣は酔っぱらって会見しちゃったり、もう国民の信任を失っています。他方、小沢民主党の方は、西松マネーに汚染されて、金権腐敗では同じ体質だという話になっています。「『自民か民主かどちらか選べ』と言われたって選びようがないですよ」というのが、国民のみなさんの気持ちじゃないですか。
   ただ、みなさん、ご安心ください。日本共産党が大変元気でがんばっています。ぜひ、来るべき総選挙、早ければ五月に解散がある可能性もありますし、遅くとも七月から九月までには選挙となるでしょう。いよいよ最後のホームストレッチです。ぜひご支持の輪を広げていただいて、私は南関東ブロック選出ですが、北関東ブロックでも複数議席を実現し、南北そろってダブルの議席にしていただきたい、よろしくお願いいたします。

西松違法献金事件—— 自民、民主は説明責任を

 まず「政治とカネ」の問題です。西松建設の違法献金疑惑が大問題です。小沢さんの疑惑は、四年間だけで三千五百万円もの巨額のお金が、西松建設から小沢さん側に渡っていた。ところが、それを二つのダミー団体からの献金であるかのように、いろんな仕掛けをつくって偽装していた。これが一番の容疑です。これは軽い形式犯ではなく、悪質な仕掛けをつくっていたという重大な容疑です。自民党も同じ問題を二階経済産業大臣が抱えています。わが党は三つのことを要求したいと思います。
 第一に、自民・民主の両党に、政党として国民のみなさんへの説明責任を果たし、疑惑の全容を明らかにすることを要求いたします。なぜ、西松という献金元を隠したのか。空港やダムなど公共事業受注とのかかわりはどうなのか。政党としての自浄努力を強く求めたいと思います。
 第二に、国会として違法献金問題の徹底究明のための責任を果たすことです。まず西松関係者から呼んで、国会で真相究明を始めることを私は訴えたい。
 第三に、腐敗の根っこにある企業団体献金を全面禁止にすることです。企業が金を出せば、必ず見返りを要求しワイロとなる。企業元から絶とうというのが私どもの提案でございます。
 企業献金と政党助成金、法律をつくらなくても受け取りを拒否すればやめられる。共産党は拒否しております。汚れた政治の大掃除の仕事は、どうか日本共産党に託してください。


内需拡大へ4つの転換

雇用破壊を止め 働くルールをつくる

 暮らしの問題にすすみます。「外需頼みから内需主導に切りかえよう」と主張してきましたが、いよいよ大事になってきました。政府までが内需が大事と言い出してきましたが、本気で内需をよくするつもりなら、私はつぎの四つの政策転換をすべきだと提案したいと思います。
 第一は、雇用破壊を止め、人間らしい労働のルールをつくるということであります。
 私は、去年の二月、十月、ことしの二月と三回にわたり、衆院予算委員会で質問しました。全国の派遣労働者のみなさんに直接お会いして、訴えを伺いました。派遣労働は「現代の奴隷労働」ともいうべき、本当に人間を“ボロぞうきん”のように使い捨てにする働かせ方だということです。
 トヨタ車体で働く労働者からは、給料からピンハネされた上、寮費から水光熱費、テレビ代、ふとん代、ありとあらゆるものがさし引かれ、二重に絞り上げられているという訴えを聞きました。また、トヨタ車体で「派遣切り」に遭った労働者からは、一家三人が食べていけなくなり、奥さんと子どもを奥さんの実家に避難させましたが、奥さんは中国の方で、帰った先の四川大地震で二人とも亡くなってしまったといいます。自分は首切り、奥さんと子どもは亡くなる。それでも仕事を探したが見つからず、死ぬつもりで東京見物に来たが、私どもの生活相談にめぐり合い、いま生活の立て直しをしているということを聞きました。
 これが天下のトヨタのやることでしょうか。景気のいいときは絞れるだけ絞って、平気で使い捨てにする。こんなことを「世界のトヨタ」やキヤノン、パナソニック、ソニーがやっている。絶対に許すわけにいかないということを訴えたいと思います。
 いま、全国各地で「もう泣き寝入りはしない」「不法な解雇は撤回せよ」「正社員にせよ」というたたかいがおこっています。全国で新しく百五十を超える労働組合がつくられています。ここに大きな未来があります。私たち日本共産党は、こういう闘いと連帯し、日本を人間らしく働ける労働のルールがある国につくり変えるためにがんばりぬきたいと決意しております。


雇用守れと 大企業と交渉

 雇用を守る課題では、政党の真価が問われます。大企業に堂々とものを言える党か、それとも、大企業から献金をもらい、大企業からものを言われている党か。日本共産党は相手がだれであれ堂々とものをいってきました。国会でも、直接の交渉でも、日本経団連やトヨタ、キヤノン、いすゞなどに、私も直接乗り込み「雇用破壊をやめろ」「大企業の社会的責任を果たせ」という交渉をやってまいりました。「内部留保があるのに首切りはおかしいじゃないか」「株主に巨額の配当をやりながら、首切りはおかしいじゃないか」。さすがにトヨタでも答えようがない。こういうことは本来、麻生総理がやるべき仕事ではないでしょうか。私どもも早く政権に入って、民主的な政権のもとで、官邸にトヨタや経団連を呼んできちんと指導するように、そういう時代が早く来るようにがんばりぬきたいと考えております。

社会保障の拡充へ 削減から充実へ転換

 第二は社会保障です。私は社会保障の分野で三つの転換を提案したいと思います。一つは、社会的弱者を社会保障から排除する異常事態をなくすことです。立場の弱い方を排除してしまっては社会保障とは言えません。
 高すぎる国民健康保険料が払えない世帯から、保険証を取り上げて恥じない政治、これは改めなければなりません。生活保護はどうか。日本の場合、生活保護を受給する権利を持っていても、受けている方は一〜二割です。ヨーロッパは八〜九割は受給しています。役所に申請にいっても受け付けない、受け付けても打ち切りを迫る、こういう作戦が横行しています。こんな政治も根本から改めようと訴えたいと思います。
 二つ目の転換は、社会保障の原則を「応益負担」から「応能負担」に転換することです。社会保障は、負担能力に応じた「応能負担」が当たり前です。
 私、先日、外国特派員協会で講演する機会がありました。「日本の社会保障は、世界にない三つの異常な仕掛けがある」ということを言いましたら、記者団のみなさんから驚きの声が返ってきました。医療費の窓口負担三割、お年寄りに差別医療を押し付ける後期高齢者医療制度、障害の重い方ほど負担が重い障害者自立支援法――この三つの制度は、「応益負担」という考え方がつくり出した間違った制度です。抜本的に改めなければなりません。
 そして社会保障費を毎年二千二百億円ずつ削るやり方は中止し、削減から拡充に転換をはかろうじゃありませんか。

消費税、大企業減税の穴埋めに

 政策転換の第三は、税金です。消費税を導入して今年で二十年。「社会保障のため」といわれたが、何か一つでも「福祉がよくなった」と言えるものがあるでしょうか。みなさんが納めた消費税は合計で二百十三兆円です。同時期に大企業への減税がおこなわれ、大企業等からの税収は百八十二兆円減っている。なんのことはない、みなさんが納めた消費税は福祉に回ったのではなくて、大企業の減税の穴埋めに使われてしまったということです。
 消費税は所得の低い方ほど重い“貧困促進税?です。そして最悪の“大企業優遇税?です。大企業は販売価格に全部転嫁できますが、中小零細企業のみなさんは転嫁できない。消費者も転嫁しようがない。大企業は一円も払わない最悪の不公平税制が消費税です。
 これを二〇一一年までに引き上げる法律をつくるというのが与党、いずれは上げるというのが民主党です。「消費税増税に絶対反対」「食料品は非課税に」という声を、日本共産党に託してください。

大企業・大金持ちに 世間並みの負担求める

 
財源をどうするか。まず無駄遣いをやめることです。その一番は年間五兆円もの軍事費です。米軍への「思いやり予算」は二千八百億円です。グアム島につくる米軍施設まで、日本国民の税金で建てるという。「思いやり予算」はきっぱりやめさせようじゃありませんか。
 そして、取るべきところから税金をいただきます。取るべきところとは、大金持ちと大企業です。日本では株の売買や配当にかかる税金は一〇%、こんな国はありません。フランスは二九%、アメリカでも二五%。フランス並みにしただけでも一兆円、二兆円の財源が入ってきます。日本の大企業は、税と社会保険料を合わせますと、ドイツの八割、フランスの七割しか払っていません。きちんと世間並みの負担は求めたい。
 ただ、大企業に「ちゃんと払え」と言えるか言えないかが決定的です。言えないと結局、消費税を上げるとなる。大企業に言えるためには、大企業から献金をもらっている党では言えません。献金をもらいながら「税金よこせ」とは言えません。ここでも共産党が伸びることが、暮らしを守る一番の力になるのではないでしょうか。

農林漁業の 再生はかる

 政策転換の四つ目の柱は、農林漁業の再生を図ることです。農業生産を拡大すれば、地域経済が元気になります。食品関係も地元商店街も元気になります。地域の製造業も興ってきます。試算しますと、農業生産高が一ふえると、その地域経済の活性化に三倍も波及効果が及びます。ですから私は「農業再生なくして地域経済の再生なし」。こういう位置づけでがんばる必要があります。
 農家の方々が安心して農業に打ち込める農政に変えていくには、農産物の価格保障と所得補償が必要です。そして歯止めのない輸入自由化にストップをかけることです。「安全・安心の食料は日本の大地から」、この声を日本共産党に託してください。
 労働、社会保障、税金、農業と四つの政策転換をお話ししました。国民の暮らしを守るルールがない日本を、せめてヨーロッパ並みに「ルールある経済社会」に大きく変革しようというのが私どもの立場です。どうかお力をお貸しください。

対等・平等の 日米関係へ

 世界は大きな変化の中にあります。軍事でも経済でもアメリカの「一国覇権主義」は終わりが始まったというのが今の世界です。
 世界が変わっているとき、日本はいまだにアメリカいいなりに日米同盟を強化し、私たちの宝物である憲法九条までアメリカに差し出そうとする売国政治はやめよと訴えたいと思います。
 日米関係は対等平等にしようというのが私どもの提案です。反米主義者ではありません。アメリカ政府の安保や基地の政策は批判しますが、アメリカの独立と民主主義の歴史には深い尊敬を持っています。日米安保条約の従属の仕組みをなくし、日米友好条約を結ぼうというのが日本共産党の立場です。

草の根で暮らし守る安全網 日本共産党へ入党を
 最近内外のメディアから「どうして共産党員がふえているんですか」「どうして元気なんですか」とよく聞かれます。元気の源は四つあるとお話ししています。一つは、「ルールある経済社会」をつくろうという経済改革の方針が響き合う状況が生まれていることです。二つ目は外交路線です。相手がソ連でもアメリカでも覇権主義に反対し、自主独立の日本をめざしてがんばってきた、このことが今日、私たちの生命力の源になっています。三つ目は、日本共産党は草の根で国民生活を守る自前の組織をもっている唯一の政党だということです。
 四つ目は党名が示すように、私たちは資本主義という社会が人類最後の社会だとは思っておりません。利潤第一、弱肉強食の社会を乗り越えて、未来の社会、社会主義・共産主義にすすむという展望をもっている、このことが私どもの元気の源になっています。
 私、あるテレビで「例えて言いますと、柿がだんだん熟していって、最後にぽとっと落ちるでしょ」と、「熟柿が落ちるように次の社会への発展が起こる」。もちろん人民のたたかいがあってのことですが、そういう展望を話しました。こういう大変ロマンチックな展望と結びついた名前が共産党という名前です。
 最近、動画サイトのニコニコ動画に出演しました。若い人の六万人アンケートをその場でやりました。一つは「共産党という党名をどう思いますか」と聞きました。「現状のままでいい」が五六%、多数派です。「政権について共産党に期待することは」という問いには、第一位は「今後も野党として与党を追及してほしい」五八%、「他党と連立して与党を目指してほしい」二六%、「共産党単独で政権樹立を目指してほしい」一七%、政権をとってくれというのが四三%ある。やはりこの期待に応えなくてはなりません。
 こんどの選挙で政権に向けての第一歩を期するような結果を必ず得たいと決意しています。そのためにも、ぜひ、強く大きい党をつくらせていただきたい。日本共産党はとてもいいところです。仲間を大事にし、周りの方々を大事にし、そして国民の苦難軽減のためにがんばる人間集団になろうと努力しています。どうか日本共産党に入党されることを心からお願いして、私の話を終わります。




表紙